第12話

単三キス


 私は霈の背中で、借りてきた猫のように神妙にしながら尋ねた。
「バイクは?」
「時間制のレンタルだから。もう返却期限が切れちゃった」
「乗っていかないの?」
「うん。ロックされちゃったし、それに渍(ソマレ)君をおんぶしたままだと、運転できないから」
「可愛かったのにな。霈がロココ調のバイクに乗ってる姿」
 軽口を叩いたその時、ふと視界がプツリと途切れた。

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